和モダンは日本古来の和風と現代的な洋風デザインが組み合わさったデザインです。
和モダンらしいインテリアを作るには、家具を変えたり障子などの建具に変更する方法が定番です。
そこで部屋全体をリフォームをしなくても、気軽に和モダンなテイストを取り入れやすいアイテムが家具や小物、和服に使われてきた生地です。
和モダン生地は高級感があり、旅館やホテルなどのお客様をもてなす場にふさわしいデザインが多数存在します。
この記事では和モダンな雰囲気に合う人気の生地の種類や、和モダン生地をインテリアに活用する方法を紹介します。
ホテルや旅館に和モダンを取り入れたい方は、ぜひ参考にしてみましょう。
和モダンとは?
和モダンは和風と現代的なデザインを組み合わせたデザインです。
日本のモダン住宅に、畳や和風の家具、和小物を置いたインテリアは、新しくもどこか懐かしさを感じることができて人気が高いです。
また、和室と洋室のどちらにも馴染むのが和モダンの魅力です。
ベースとなる部屋のタイプに関係なく、和と洋をバランス良く取り入れれば和モダンのインテリアが完成します。
和モダンインテリアは和と洋の両方の良さを取り入れているため、若い世代からシニア層まで過ごしやすいところも人気のポイント。
お客様を招き入れるエントランスはもちろん、旅館やホテルの客室にも、モダンな住宅に慣れている若い世代から、畳の和室を好むシニア層の両方に快適に過ごす空間を提案できます。
そんな和モダンのデザインを気軽に取り入れられるアイテムが生地です。
和柄はシンプルなデザインから、主役級のカラフルなデザインまで豊富に揃っているため、インテリアのイメージに合わせた生地を探してみましょう。
和モダンな生地の3つの魅力とは?
和モダンなインテリアは幅広い年代の方を招くホテルや旅館のインテリアに適しています。
まずは和モダンデザインの生地をインテリアに取り入れる3つの魅力をご紹介します。
①手軽に和モダンなインテリアに変更できる
インテリアを全てを変えたり、リフォームするのは費用と時間がかかります。
和モダン生地を取り入れることで、家具を入れ替えたり壁などの内装を変えたりしなくとも時間をかけずにインテリアを変えられのがメリット。
コストを抑えて空間を和モダンに変更したい場合は、和モダン生地を活用していきましょう。
②ホテルなどのフォーマルな場に合う高級感がある
古くから日本で愛されてきた和のデザインは、フォーマルなシーンに適した高級感があります。
ホテルや旅館、オフィスなどのお客様を招く場にもシックで上品な和モダンインテリアは好印象を与えるでしょう。
フォーマルな場は堅苦しく無機質な印象を持たれがちです。
しかし、和モダン生地の華やかなデザインと、無機質な空間にやわらかい布を飾ると空間に温かみを生み出せます。
既存のモダンインテリアと和モダン生地の組み合わせは個性的で、他のホテルや旅館とは違った美しさを演出できるところもメリットです。
③経年変化によってインテリアに深みが生まれる
生地は経年変化による質感や色合いの変化が生まれ、インテリアに深みを与えてくれます。
生地は使えば使うごとに、質感や色味が少しずつ変化してくるところが特徴です。
たとえば肌着などに使われている綿素材は、使用して洗濯するたびに風合いや質感が代わり、持ち主に馴染んできます。
ことインテリアとして飾っている和モダン生地も、時間の経過とともに深みが増してくるものです。
空間に馴染んだインテリアは、新品のときの美しさとは違った趣きが感じられるでしょう。
また、和モダン生地の多くは汚れがついたら洗濯や消毒が手軽です。
いつでも衛生的に使用できるインテリアアイテムとして活躍します。
和モダンな生地の代表的な種類
和モダン生地として主に使われている種類を4つご紹介します。
生地それぞれの特徴を生かしてインテリアに活用していきましょう。
ちりめん生地
ちりめん生地は表面に凹凸がある布生地のことです。
通常、布は1~2本以上の繊維の束をねじって撚糸(よりいと)を作り、タテ糸とヨコ糸を織って作っていきます。
ちりめん生地の場合、ほとんど撚りのないタテ糸を使っているため、ヨコ糸と織った際に布がねじれ、独特の凹凸が生まれます。
凹凸は種類によって違うため、同じちりめん生地でも違った表情が楽しめるところも特徴です。
表面の凹凸が大きいものを鬼ちりめん、凹凸が少なく表面がなめらかに見える種類を一越ちりめんと言います。
ちりめんならではの凹凸の質感を楽しめる鬼ちりめんは、伸縮性に優れておりボリュームのある見た目から存在感があり、立体感の強いインテリアになります。
また、凹凸の少ない一越ちりめんは、通常の平織りの布に近いため、扱いやすく敷物に適している種類です。
ほかにも一越ちりめんは、ちりめん細工などの手芸用の小物に使われています。
ちりめん生地の素材は絹(シルク)や綿が定番でしたが、最近は化学繊維のポリエステルも人気があります。
絹で作られていたちりめん生地は、水に濡れると縮んでしまうため衣類やインテリアに使いにくいという欠点がありました。
しかし、ポリエステルは水濡れに強く、万が一飲み物をこぼしたり雨で濡らしたりしても、生地が縮む心配がありません。
金襴生地(金襴織物)
金欄生地は糸に金箔を巻きつけた金糸や、金箔を織り込んで模様を出した布地です。
室町時代に明(中国)から大阪に伝えられ、それ以来京都の西陣織りなど長年にわたって金襴生地が織られてきました。
黄金に輝く豪華絢爛な見た目は、布地の中でも最高級の織物です。
現代ではひな人形などの人形衣装や、仏具、掛け軸などに使われています。
他にもテーブルセンターやクッションなどのファブリックのインテリアや、小物などにも金襴は根強い人気のある生地です。
空間に1つあるだけで、全体的に華やかさが生まれるため、ホテルや旅館などの広いエントランスに置いても存在感があります。
コットンプリント生地
コットンプリント生地は綿素材に、模様をプリントした素材で、衣類やクッションなどのインテリアなどに幅広く使われています。
コットンの魅力は、糸の太さや織り方によって、風合いが変わること。
ハンカチなどで使われる平織りや、デニムなどに使われる綾織りなど、同じコットンでもまったく違った質感が楽しめます。
コットンはやわらかい肌ざわりの天然素材で、肌着や下着にも使われるほど優しい素材です。
多くのお客様を招き入れるオフィスや旅館のエントランスに置く、ソファやクッションなどは、肌への負担が少ないコットン生地がおすすめです。
ソファやクッションなど、直接お客様が触れる家具は、通気性が良く水や熱にも強いコットンが適しています。
コットンは染色しやすいため、和モダンデザインの種類がとても豊富。
模様のバリエーションもたくさんの種類から選択できるため、和モダン生地の入門編におすすめです。
サテン生地
サテン生地は光沢がある、なめらかな肌ざわりが特徴の生地です。
主な原料は綿やポリエステル、ナイロンで、特に綿は肌ざわりがなめらかで上品な光沢と張りが人気です。
そもそもサテンは素材の名前ではなく、縦と横糸のどちらかだけで織られているように見える朱子織りという織り方です。
中国発祥の絹織物で、日本には江戸時代に伝えられました。
上品な光沢と高級感のある見た目から、テーブルクロスやシーツなどに使われています。
フォーマルなシーンにふさわしい生地として、ホテルや旅館に使用する和モダン生地としてもおすすめです。
和モダン生地の人気のデザイン
和モダン生地は縁起の良い伝統柄や、和を感じるモチーフを使ったデザインが人気です。
人気の生地のデザインを3つご紹介します。
生地デザイン①上品で存在感がある「牡丹柄」
牡丹柄は数ある花柄中でも、華やかさと存在感が光るデザインです。
訪問着や振袖などにも良く使われている古典柄で、カラーバリエーションも豊富です。
牡丹は唐獅子柄との組み合わせが定番で、大きな牡丹が咲き乱れているところに迫力ある獅子が描かれたデザインです。
春の花ですが、唐獅子柄や通年使われる唐草模様などと組み合わせると通年活用できます。
生地デザイン②シンプル和モダンがオフィスに合う「麻の葉柄」
六角形の幾何学文様で、平安時代から使われてきたデザインです。
麻の葉は4か月で4メートルもの高さになるほど成長が早い植物で、子供の健やかな成長の願いが込められた古典柄です。
また、魔除けの意味も持っており、着物や小物などに広く使われてきました。
シンプルな造りのため、フォーマルなオフィスや、老舗旅館に飾る和モダンデザインにもおすすめです。
生地デザイン③高級感ある「扇文(おうぎもん)」
扇文は扇を広げた模様が特徴のデザインです。
扇を広げた様子は末が広がっている形状をしており、末広がりの縁起物として使われてきました。
広げた扇には、草花を描き加えたデザインも多く、きらびやかで繊細です。
特に扇の部分を金糸で仕上げた生地は、高級感がありインテリアを格上げできます。
季節に左右されずに飾りやすいため、通年通して使える和モダン生地をお探しの方は活用してみましょう。
和モダン生地をインテリアに活用する方法
和モダン生地をオフィスや旅館のインテリアに活用する方法をご紹介します。
和モダンアイテムをインテリアに使うと、空間に個性と上品な印象が生まれます。
派手になり過ぎないように、さり気なく和モダンを取り入れるのがポイントです。
ソファなどのファブリックに取り入れる
和モダン生地を気軽に取り入れられる方法が、ソファーやクッションなどの布製のアイテムです。
クッションカバーなら季節やインテリアに合わせて、自由に入れ替えできるところが便利です。
和モダン生地をソファーの上からかけるソファーカバーを使えば、全体的に和モダンデザインに変更できます。
近年ではアンティークソファーとして、あえてヴィンテージの木製ソファを置いた和モダンインテリアが人気です。
重厚なヴィンテージソファーに華やかな和モダン生地を組み合わせたインテリアは、個性的でありながら上品。
夏場などの暑い季節はアジアンなラタンソファーなど、季節に合った家具と和モダン生地を組み合わせて、おしゃれなインテリアを作りましょう。
和モダンな生地をテーブルクロスや飾り棚の装飾に使う
和モダンデザインのテーブルクロスやテーブルセンターは1枚敷くだけで家具や空間の雰囲気をがらりと変える効果があります。
金糸を使った高級感あるテーブルセンターは、応接室のテーブルやホテルのエントランスなど、来客を招く場にふさわしいアイテムです。
テーブルセンターはテーブルの中央に敷く細長いフラットなデザインのため、飲み物を置いたときの目線の先にあると、部屋の印象が強く残ります。
他にも飾り棚やサイドテーブルの上に敷くなど、ワンポイントとして和モダン生地を飾ってみましょう。
出典:龍村美術織物
龍村美術織物では、繊細な模様で仕上げたテーブルセンターを取り扱っています。
明治27年創業の老舗ブランドの技術を活かしたテーブルセンターは、インテリアをワンランク上に見せてくれます。
和モダン生地を使用したアートパネルの展示
和モダンなデザインの生地を使ったアートパネルを壁に展示して、和モダンなインテリアを演出する方法も人気です。
アートパネルとは額縁を使わないため、生地の風合いや織物の立体感、きらびやかな金糸の輝きを近くでじっくりと鑑賞できます。
出典:龍村美術織物
龍村美術織物では、縁起の良い古典柄を取り入れたアートパネルを販売しています。
サイズのカスタマイズの相談できるため取り扱っているため、一度事前に相談すると安心ですね。
まとめ:和モダン生地で上品な高級感ある内装を作ろう
和モダン生地は種類やデザインが豊富で、既存のインテリアに合わせたアイテムを選択できます。
定番の綿素材から、光沢のあるリネン生地、和風なちりめん生地など、表情豊かな和モダン生地は、インテリアを上品で華やかにしてくれます。
クッションやソファーカバーなど和モダンデザインに切り替えて、旅館やホテルにもふさわしい高級感ある内装を作りましょう。