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産経新聞 (2018年12月17日夕刊)『誘惑する京都―西陣織の縁起物―』の記事で当社が紹介されました。

産経新聞 (2018年12月17日夕刊)「干支パワー 新年の幸願う」

2018.12.21

戌年から亥年へ――、今年も残すところあと半月。正月準備のさなか、少し早いお祝い気分を届けてくれるのが干支の縁起物だ。古来、干支を飾ると開運招福、幸せをもたらすと信じられてきた。西陣織の老舗・龍村美術織物(京都市)の置物は、形もイノシシならまとう“衣装”もイノシシ柄。子孫繁栄を象徴する来年の干支にあやかり、運気アップへ猪突猛進・・・といきたい。

干支で招福
 「今年もかわいらしい縁起物ができました。毎年買ってそろえてくださるお客さまも多いですね」というのは、龍村美術織物の顧問、白井進さん。
 ぬいぐるみの「マスコット亥」と、きれを張った「木目込み(きめこみ)亥」は、同社が毎年末に新年用に作る縁起物の干支シリーズ。西陣織の老舗だけに、干支をデザインした作品を発表し、その織物を使うのが恒例だ。
 木目込みとは、江戸時代に京都で生まれた木製人形。木の型に入れた筋彫りに布の端を押し込んで、まるで衣装を着ているような姿に仕上げる。
 今年のイノシシは白と金色で、前足には宝が詰まった「宝嚢(ほうのう)」を抱えた姿。毎年品切れになる人気ぶりで入荷待ちになることも多いそうだ。

目力で魔を払う
 姿かたちがイノシシであるだけでなく、まとっている衣装もよ~く見ると、イノシシ柄なのがミソである。木目込みは胴の部分に、マスコットは上衣に、赤茶地の「猪目文(いのめもん)」と名付けられた経錦(たてにしき)が使われている。
 さらによく見てほしい。「猪目文」には走っているようなイノシシの姿とともに、ハートの模様が織り込まれているのが分かるだろうか。神社仏閣でも飾りに使われるハート形の文様は、イノシシの目に形が似ていることから「猪目文」と呼ばれているそうだ。その“目力”は魔よけ、厄よけに通じるという。
 そのほか、金茶地は古代ギリシャの壺の文様(アンテミオン)に取材し、神話に登場するイノシシを組み合わせた「アンテミオンと猪」。放射線状に広がる植物と、駆けるイノシシの文様が繁栄を象徴するようだ。
 ピンクとブルーのストライプは「華猪文長班錦」。遊牧騎馬民族・スキタイの用いた装飾品をモチーフに、現代的なデザインに仕上げた。キバを持ちゆったりとうずくまる白いイノシシの姿が織りこまれている。

トランプ特需も  龍村美術織物は、明治生まれの染織家、初代龍村平藏に始まる。さまざまな織物の技術を考案する一方で、奈良・正倉院や古い寺院に伝わる古代裂(こだいぎれ)・名物裂(めいぶつぎれ)などの復元に努めた。
 昨年の米トランプ大統領の来日で、安倍晋三首相から送られたプレゼントとして話題になったのが同社の「早雲寺文台裂(そううんじぶんだいぎれ)」である。
 「品薄になった時期もありました」と笑う白井さん。実は、ぬいぐるみの上衣のえり元に使われているのが同じデザインで、元は箱根の早雲寺に残る文台(机)とすずり箱に張られた布を参考にしたものである。
 室町時代の古典学者で連歌の第一人者である飯尾宗祇の愛用品だった。金糸や銀糸を使った華やかな印象の高級品で、キラキラと耀く織物はトランプ大統領もさぞかし喜んだことだろう。
 ちなみに大統領の生まれ年は、元号でいうと昭和21年の戌年。あら、今年の年男だった・・・。
 

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Information

株式会社 龍村美術織物
〒615-0022 京都市右京区西院平町25
ライフプラザ西大路四条2階

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